2021-08-31 一度きりの景色
読んでいる時にはなんとなく、おぼろげにでも網目が繋がってゆくように理解(というか想像か)が及んでいるように思ったが、あとから自分の抜き書きを改めて読んでみるとそれが何のことだったのかちっとも理解できていないことが分かる。
そもそも中動態というものの感触がまだよく掴めていない。(ここでの使われ方が分かっていない、ということもあると思うけれど) 内容をよく理解できていないことに気づいたということもあるけれど、それとは別に、自分が本を読んでいた時の思考の流れや興味を惹かれたポイントが後からではよく分からなかったりすることはよくあるな、と思う。
他でもない自分が面白いと思った箇所なのに、今日みたいに抜書きしたすぐ後に読見返してみてもこれだもの。時間を置いたら余計にわからない。だいぶさかのぼって読んでもピンと来ないことだってざらにある。
最初からずっと読んできてやっとそこで結晶するようなものごとがあるんだろうな。
裾野から山を登ってきてやっと出会った景色に対する感想は、山登りをしたよと送られてきた写真を見た時の気持ちとはそりゃ違うに決まっている。
しかもそれは一回性のものかもしれなくて、もう一度最初から読んでみて同じ景色が訪れるとは限らないのだ。